涸沼の水質浄化に関わる住民や団体でつくる「クリーンアップひぬまネットワーク」(谷萩八重子会長)は19日、鉾田市箕輪のいこいの村涸沼で本年度総会を開き、涸沼のラムサール条約登録に向け、谷萩会長が「全力を挙げて協力しよう」と呼び掛けたほか、日本野鳥の会茨城県会長の池野進さんが講演で、同条約登録への課題を探った。

総会で谷萩会長は「涸沼の美しさと自然を守ることは大切。涸沼でごみ拾いしている親子を見掛けたが、そういう動きがあるのはうれしい」とあいさつするとともに、涸沼の同条約登録に協力していく考えを強調した。

池野さんは「鳥から見た涸沼」をテーマに講演し、涸沼の成り立ちから、飛来する鳥の特徴などを解説。涸沼に近い茨城町駒場の水田にコウノトリやカナダヅルなどが飛来したとの記録があると指摘し、池野さんは「(涸沼は)かつてはツルの一大生息地だったかもしれない。野鳥のために現在の水面だけでなく広い地域を大切にしたい」と訴えた。

同ネットワーク前会長の広瀬誠さんは「(希少な)ヒヌマイトトンボの発見地という昆虫条件がメーンになる可能性もあり、茨城の生物の特徴が出る意義もある」と同条約登録への期待感を話した。(武藤秀明)