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淡い彩りの花器や大鉢 陶芸家・井上英基さん、水戸で初個展

個展の来賓者に作品を解説する井上英基さん(左)=水戸市泉町の京成百貨店
個展の来賓者に作品を解説する井上英基さん(左)=水戸市泉町の京成百貨店


碧彩釉(へきさいゆう)と呼ばれる緑色の釉薬(ゆうやく)を用い、味わい深い「四季の情景」を表現する陶芸家、井上英基さんの初個展「彩(いろどり)井上英基作陶展」(茨城新聞社主催)が29日、水戸市泉町1丁目の京成百貨店ギャラリーで開幕した。淡い緑色をベースにした大作の花器や、大鉢、壺(つぼ)、酒器など約100点が並ぶ。会期は6月4日まで。

井上さんは1970年水戸市生まれ。県窯業指導所で学んだ後、ドイツに留学し、独自に釉薬を研究。現在は笠間市内に工房を構え、日本現代工芸美術展や県芸術祭美術展などで活躍している。

本展では、碧彩釉の作品を主に、黄色の釉薬を施した「黄雲」シリーズ、ピンク色の釉薬を掛けた青白磁シリーズなどが会場を華やかに彩る。

碧彩釉のほかに二つの釉薬を組み合わせた大鉢「黎明(れいめい)」は、第47回日本現代工芸美術展(2008年)で新人賞を受賞。壮大な夜明けを想像させる。収穫期の麦畑を思わせる「黄雲」シリーズの壺や大皿、しだれ桜のような風合いを漂わす青白磁の壺など。

井上さんは「自分にとって緑色は安らぎや癒やしの象徴。旅先などでの思い出深い情景を、作品から感じ取っていただければ」と話している。

開幕に先立ち、井上さん、水戸京成百貨店の西村寛社長、茨城新聞社の小田部卓社長らがテープカットを行った。(沢畑浩二)



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