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天狗・諸生両派に光 水戸市立博物館、錦絵や写真パネル展示

筑波山挙兵150年を記念して、天狗・諸生両派の軌跡を紹介する常設展「幕末から明治へ」=水戸市大町
筑波山挙兵150年を記念して、天狗・諸生両派の軌跡を紹介する常設展「幕末から明治へ」=水戸市大町


水戸藩の天狗(てんぐ)・諸生両派の軌跡を紹介する展示「幕末から明治へ-水戸藩に吹き荒れた嵐」が、水戸市大町3丁目の市立博物館で開かれている。会場には、水戸藩9代藩主・徳川斉昭が造らせた大砲の一つや錦絵などの文書、両派それぞれに関連する写真パネル計42枚が展示されている。

「幕末から明治へ」は同博物館の本年度の歴史部門常設展。天狗党関係では、志士が外国人の首をはねる場面を描いた藤田小四郎著「慷慨(こうがい)烈士画賛」や、明治以降の河鍋暁斎(きょうさい)作の錦絵「耕雲斎筑波山籠」を展示。天狗党総大将の武田耕雲斎は筑波山挙兵時点では加わっておらず、当時の首領は田丸稲之右衛門であったことを示す史料も並ぶ。

水戸城下や那珂湊での戦いの模様を描いた「水戸城下絵図」「那珂湊合戦図」のほか、群馬県・下仁田、長野県・和田宿、福井県・敦賀市などゆかりの地の写真で京都に向かう苦難の道のりをたどる。

諸生派関係は、「弘道館訓導・舎長辞令」や市川勢の旗などの史料を展示。水戸を脱出後に戊辰戦争を新潟県・長岡市で戦い、その後、千葉県八日市場市(現匝瑳市)で最期を迎えるまでを写真でも追う。

天狗・諸生両派の軌跡を追った写真パネルが同時に展示されるのは、県内で初めて。

玉川里子館長は「時代の変革期に、それぞれが国の未来を考えながら、戦いを繰り返した。胸が痛くなるような泥沼の抗争だが、両派を公平に紹介することで、憎しみの連鎖を断ち切りたい」と話す。

常設展入館料は無料。月曜日や国民の祝日は休館。開館時間は午前9時半〜午後4時45分。問い合わせは同博物館TEL029(226)6521。(武藤秀明)



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