寸劇で被害防止訴え 日立、振り込め詐欺対策披露
県企業防衛対策協議会日立地区推進協議会(工藤政幸会長、会員数約160社)は20日、日立市内で開いた総会に地域の高齢者を招き、県警音楽隊が振り込め詐欺を題材にした寸劇を披露して被害防止を呼び掛けた。
県企防協は1978年に結成し、暴力団など反社会的勢力から企業を守るための活動に取り組んでいる。県内28警察署管内に各地区推進協議会があり、計2500社を超える企業が加入。県内の地区協で総会の中に啓発活動を取り入れたのは日立地区協が初めてという。
寸劇「狙われた山田家」は、1人暮らしの高齢者に息子を装った電話で、電車の中にカバンを忘れたと携帯電話番号の変更を告げ、後日、カバンの中に小切手が入っていて立て替えを求められるというもの。女性は女性警察官に救われ、被害に遭わずに済んだ。
女性警察官は会場の高齢者などに(1)電話番号が変わった(2)急にお金が必要になった(3)宅配便や持参による受け渡し(4)受け渡しが生活圏と違う-など「一つでも該当すれば疑ってほしい」と注意を促した。
県警音楽隊の吉成宏之楽長は「安全・安心な暮らしに役立つ情報をスムーズに受け入れてもらうために寸劇を取り入れた」と話し、寸劇を見た女性(74)は「振り込め詐欺を分かりやすく学べた。気を付けたい」と感想を話した。
工藤会長は「振り込め詐欺が多発していると聞いて総会に高齢者を招待して実施してみた。地道な活動が大切だと思うので何らかの形で継続していきたい」と話す。(飯田勉)