次の記事:中村衆院議員、不出馬 茨城7区 元建設相、当選15回 

上野東京ライン 秋葉原-神田 地元住民に公開

公開された東北縦貫線の高架橋の線路から、隣接するJR神田駅(右)を見下ろす地元の人たち=12日午前、東京都千代田区
公開された東北縦貫線の高架橋の線路から、隣接するJR神田駅(右)を見下ろす地元の人たち=12日午前、東京都千代田区


来年3月に開業予定の常磐、宇都宮、高崎のJR3路線が東京駅に乗り入れる上野東京ライン(東北縦貫線)が12日、報道陣や地元住民らに公開された。レールの敷設など工事はほぼ終わっており、JR東日本は今月下旬に試運転を始める予定。3路線への割り当て本数は利用実績などに基づいて決められるため、県は常磐線の積極的な利用を呼び掛けている。


上野東京ラインは上野止まりだった3路線を東京まで約3・8キロ延長し、東海道本線と結ぶ総工費約400億円の事業。2008年5月に着工した。ルートは上野-秋葉原間が従来の回送電車の引き込み線を利用。秋葉原-東京間約1・3キロは高架橋を新設した。

今回公開されたのは秋葉原-神田間の高架橋の部分約800メートル。最も高い地点は地上から約20メートルで、東京スカイツリー(墨田区)なども見渡せる。

高架橋のうち約600メートルは東北新幹線の真上に設置されたため、工事は終電-始発の約4時間を使って行われ、260に分割した鉄骨を約1年10カ月かけて組み上げた。

JR東日本東京工事区の?沢則雄区長は「大きな機械を新幹線の線路の中に入れての作業が大変で、毎日スリリングな工事だった」と振り返った。

上野東京ラインの開業により、11年に混雑率200%に達した上野-御徒町間の混雑緩和が期待される。上野-東京間で約9分間、上野-品川間で約11分間の時間短縮が見込まれ、本県から品川、横浜方面へのアクセス向上にもつながる。

県交通対策室では、常磐線が東京駅始発になることに伴い、東京通勤圏になることによる定住人口増▽駅構内で県内の地名が出ることによるイメージアップ▽観光客誘致による交流人口増-を見込み、上野東京ライン開通を沿線地域の活性化に結び付けたい考え。

ただ、常磐線の利用客は1993年の約3万7千人をピークに減少。割り当て本数は利用実績が重視されるため、県は「1本でも多く乗り入れたい」(野口通企画部長)と、常磐線の積極的な利用を呼び掛けている。
(根本樹郎)



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース