ネット依存の恐怖指摘 筑波大講師根本さん講演
■「認められる」経験積んで
子どものインターネット利用に潜む社会的問題を浮き彫りにする「ネット依存の恐怖〜その現況と対策」と題した講演会が7日、水戸市千波町の県総合福祉会館で開かれ、医療や教育関係者、保護者ら約80人が参加した。県精神保健協会(池田八郎会長)主催。ネット依存の対応策を話した筑波大講師(精神医学)の根本清貴さんは「ネットを生きがいにすると歯車が狂う。ネット以外に好きなことを持ち、実社会のコミュニケーションを大事にすることが予防につながる」と訴えた。
根本さんは講演で、「程度の差こそあれ、私たちはインターネットに依存している」と前置き。若者がネットゲームなどで快感を得てのめりこむ状態を脳科学の視点で紹介した。予防については、現実世界で「認められる」経験を積むことが最も効果があると強調した。
このほか、茨城メディア教育指導員の鈴木慶子さんが、子どもたちのネット利用の現状と課題を報告。アプリを通じて面識のない相手と出会って事件に巻き込まれたケースや、コミュニケーションアプリの「ライン」で返事をすぐに返す「10秒ルール」をめぐって事件やいじめが生まれている現状を紹介。「情報社会に対応できる能力を養っていかねばならない」と力説した。