上野東京ライン、最後の決起大会で気勢
常磐、宇都宮、高崎のJR3路線が東京駅に乗り入れる上野東京ライン(東北縦貫線)の来年3月の開業を前に、「常磐線東京駅乗り入れ促進大会」が11日、橋本昌知事や中川清土浦市長、鬼沢邦夫茨城産業会議議長ら政財界から235人が参加し、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で開かれた。12月とみられるダイヤ決定に向けた最後の“総決起大会”で、1本でも多い乗り入れ本数確保へ気勢を上げた。橋本知事らは今月26日、JR東日本に要望活動を行う。
大会は県常磐線整備促進期成同盟会(会長・橋本知事)ら6団体が主催。本県選出の衆・参国会議員や沿線市町村長と市町村議会議長、県内経済4団体、県観光物産協会の関係者が集結した。昨年に引き続き福島県いわき市と、今年は新たに千葉県と同県松戸、柏、我孫子3市の関係者も招かれた。
上野東京ラインは3路線が競合するため、乗り入れ本数には限りがある。JR東日本は割り振りについて「利用促進が前提」と、利用客の上乗せの必要性を示唆している。一方、JR東日本によると、水戸駅の1日平均の乗車人員は1993年をピークに減少傾向にある。
このため、利用実績を引き上げてJR東日本にアピールし、1本でも多い乗り入れを実現しようと、大会では北茨城、ひたちなか、龍ケ崎、取手4市の利用客呼び込みに向けた取り組みが紹介された。26日の要望活動の席上でもこれらの取り組みをアピールする。
大会で採択した決議では、東京駅乗り入れ実現で「定住・交流人口の拡大による地域活性化の起爆剤となり、沿線地域のイメージアップに大きく寄与する」として、JR東日本に対する働き掛けの強化と、常磐線の需要喚起に積極的に取り組むことを決めた。
橋本知事はあいさつで、JR東日本が2002年に上野東京ライン整備着手を発表した際、「宇都宮・高崎線の乗り入れを基本とする」としていた経緯に触れながら、「これまでの経緯もあり予断を許さない。最後の一踏ん張りへ総力を挙げたい」と述べた。(根本樹郎)