豊作祈願、きせる祭り 加波山
葉タバコの豊作を祈願する「きせる祭り」が7日、石岡、桜川両市にまたがる加波山の加波山神社(鈴木史彦宮司)で開かれた。祭りは今年で60回目。葉タバコの耕作者など参加者が、たばこを詰めた巨大きせるを奉納し、豊作を祈った。
祭りは1954年、ひょう害を受けた耕作者が加波山神社に祈願したところ、葉タバコの勢いが回復し豊作となったことから、お礼の祈祷(きとう)を行ったのが始まり。59年には加波山山頂にたばこ神社が建立された。
標高638メートルの拝殿で神事が行われ、真ちゅう製の巨大きせる(重さ60キロ、長さ2・6メートル)にたばこを詰めて点火。紫煙たなびく巨大きせるを法被姿の参加者が担ぎ、険しい山道を登って標高709メートルのたばこ神社に奉納し祈祷した。参加者はきせるからたばこの香りを味わった。
耕作者が年々減る中で、同祭りは60回続き、鈴木宮司は「今年も無事終了しほっとしている。これからも祭りを末永く続けたい」と話した。
(根本樹郎)