現役最古の気動車に別れ 湊線「キハ222」
現役の気動車としては全国で最も古いひたちなか海浜鉄道湊線を走ってきた「キハ222」のラストランが6日、阿字ケ浦-勝田間全線を5往復して行われ、県内外から訪れた大勢の鉄道ファンらでにぎわった。
ラストランは午後0時53分すぎ、「キハ222」を先頭にした3両編成の列車が那珂湊を出発し、その後、阿字ケ浦-勝田間を3往復運行。さらに、「キハ222」1両編成の臨時列車が勝田-阿字ケ浦間を2往復した。いずれも満員の状態で、臨時列車の特別乗車券を買い求める長い行列ができ、急きょ購入枚数を1人2枚に制限する人気ぶりだった。
那珂湊駅には発車前から鉄道ファンらが詰め掛け、ホームで気動車を撮影したり記念グッズや記念切符を買い求めたりしていた。
弟と那珂湊駅を訪れたひたちなか市の大学2年、根本祥江さん(20)は「通学に(「キハ222」に)乗っていたが、走る時の音が気持ちよくて車内で寝てしまうこともあった。引退は残念」と話した。
「キハ222」は富士重工が1962年に製造し、北海道の羽幌炭鉱鉄道で使われた後、70年から湊線を走ってきた。寒冷地仕様で、運転席の窓に旋回窓があるのが特徴。9月のダイヤ改正で事実上現役引退し、この日のラストランとなった。
同鉄道は「臨時列車として運行できる期間が残っており、その間、臨時運行する可能性はある」とした。 (萩庭健司)