天狗に罵声 ご利益祈る 笠間で悪態まつり
笠間市の愛宕山に伝わる天狗(てんぐ)に罵声を浴びせ、ご利益を求めて供え物を奪い合う奇祭「悪態まつり」が21日、同山頂の愛宕神社と周辺で開かれ、市民やツアー客など約1200人の参拝客が訪れた。
江戸時代中期から続く無病息災や家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭りで、日本三大奇祭の一つとされる。領主が領民の意見を聞くため、その時だけはどんな悪態を言っても罪にならないとして始まったとされる。
白装束や烏(え)帽子(ぼし)を着けた天狗役の氏子たちが同山麓から山頂の境内まで約4キロ歩き、途中16カ所の祠(ほこら)へ5円玉などの供え物をする際、参拝客は天狗役に向かって「ばかやろう」などと罵声を浴びせ、供え物を力ずくで取り合った。
供え物を手にした水戸市在住の学生、菊池正太郎さん(22)は「悪態をつけたのは気持ちよかった。ご利益で来年が良い年になるといい」と話した。(今井俊太郎)