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放射線、正しく理解を 県が出前授業

原子力の専門家が講師を務める出前授業=筑西市立竹島小
原子力の専門家が講師を務める出前授業=筑西市立竹島小


放射線や原子力に関わる基礎知識の普及を図るのを狙いに県は本年度から、原子力の専門家を小中高校に派遣する取り組みを進めている。茨城原子力協議会(佐藤守弘会長)の職員が学校に出掛けて放射線を目視できる実験などを交えながら詳しく解説する。16日は筑西市稲野辺の市立竹島小(大山慎一校長、児童数238人)で出前授業が開かれた。

専門家派遣事業は国の原子力・エネルギー教育支援事業交付金を活用。昨年7月に始まった出前授業は、小中高それぞれの段階に応じた内容で、本年度は計32回実施する計画だ。

事業を受託する同協議会は、放射線の基礎知識と原子力の安全に関する知識の普及啓発のため、東海村の原子力科学館の運営や市民向け講座などを行っている。

同日の出前授業は同小の5年生45人が受講した。講師を務めた同協議会事務局次長の関田泰宏さんは、放射能と放射線の違いを懐中電灯に例えて「光が放射線で、光を出す能力が放射能。放射線が人体に与える影響を表す単位がシーベルト」などと説明した。

さらに、児童らは年間に受ける放射線量や放射線の種類、食品に含まれる放射性物質などを学んだほか、放射線の観測にも挑戦。アルコールの蒸気を充満させた箱の中で、鉱石から出る放射線が白い線となって飛び交うのを確認すると「すごい、見えた」などと、声を上げていた。

同小5年の石井晴弥君(11)は「普段は目に見えない放射線を見ることができて不思議」と感想を述べ、大山校長は「放射線を怖がるだけでなく、さまざまな分野で活用されていることも含めて正しく理解するために、専門家から学ぶ機会は貴重」と話した。(戸島大樹)



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