涸沼の貴重な植物解説 鉾田 ラムサール登録へ講演
ラムサール条約登録を目指す涸沼の自然環境を知ってもらおうと鉾田市は21日、同市箕輪のいこいの村涸沼で「涸沼ラムサール条約登録推進に関する講演会」を開いた。環境省希少野生動植物種保存推進員の安昌美(まさよし)さん(72)=水戸市=が「鉾田市の植物について」と題し、涸沼周辺や市内の貴重な植物について解説した。
講演会には市民ら約40人が参加。安さんは市内に生える植物をスライド写真や現物を見せて紹介。涸沼周辺などの水生、湿生植物の絶滅危惧種も紹介。「涸沼に沈水植物はまずない」などと種の減少を指摘した。
講演会の冒頭で市生活環境課が条約登録への進捗(しんちょく)状況などを説明。6月ごろにウルグアイで開かれる締約国会議で登録される見込みとした上で、市として自然との共生社会を築くため、環境基本条例を制定し環境基本計画を策定する考えを示した。
講演会ではこのほか、参加者から登録対象の範囲や登録後の活用策について質問が出た。範囲について市は「今回は湖面のみだが、その後に拡大もできる」と説明した。
涸沼の条約登録については県が昨年8月、同市と茨城、大洗の1市2町や関係団体と推進協議会を設立。涸沼を紹介する冊子を作ったり講演会を開いたりするなどして機運醸成を図っている。
(島田真太郎)