高久家住宅お披露目 震災で被害、修復完了
伝統的建造物が並ぶ桜川市真壁地区にある国登録有形文化財「高久家住宅」の修復が終わり、地元関係者に26日、お披露目された。市教委によると、高久家住宅は明治時代に建てられたとみられ、肥料商などを営んでいたという。
2011年の東日本大震災で壁や屋根が崩れるなど大きな被害を受け、取り壊す話が持ち上がっていたため、地元からの「ぜひ残してほしい」との声に応えて所有者が建物を市に寄付。市教委が12年から調査を始め、大規模修復を進めてきた。市教委文化財課は「修復に当たっては創建当時の姿に近づける努力をした」としている。
修復が終わった建物は屋根瓦や壁を直し、正面には木製建具の引き戸を設けた。2階建て建物は延べ床面積約220平方メートル。住宅は今後、地元特産品などを販売する団体に貸し出す観光施設として使用される。
2月4日から開幕する「真壁のひなまつり」期間中は、筑波大の芸術専攻の学生と協力して地元特産の石材作品を展示・販売する予定。同住宅は真壁地区の中心部、下宿通りと通称「御陣屋前通り」の交差点の北東角。(大高茂樹)