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浮世絵風の精密描写 水戸芸術館、山口晃さん個展開幕

浮世絵風の筆さばきが特徴の山口晃さんの個展=水戸市五軒町の水戸芸術館
浮世絵風の筆さばきが特徴の山口晃さんの個展=水戸市五軒町の水戸芸術館


浮世絵風の筆さばきと精密な描写が特徴の現代アーティスト、山口晃さんの個展「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」が21日、水戸市五軒町の水戸芸術館で開幕した。人物や都市鳥瞰(ちょうかん)図などをユーモアあるタッチで描く作風が幅広い年代から支持を集めており、同展では展示にも工夫を凝らして来館者を楽しませている。5月17日まで。

山口さんは1969年、東京生まれ。2001年、第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を受賞した。卓越した画力と、日本画への深い造詣に裏打ちされた作品で、高い評価を得ている。新聞小説「親鸞」(作・五木寛之)三部作では挿絵を担当。12年には平等院養林庵書院にふすま絵を奉納した。

同展では新作を含め絵画、インスタレーション、アイデアスケッチなどが並ぶ。既存の電柱を使用した「忘れじの電柱」は展示室内に設置された階段に登り、高い位置から眺めることができる。また、劇画タッチで描かれた大作「続・無残ノ介」は50メートルの展示室で一気に公開している。

山口さん発案という迷路のような通路も、同展の特徴の一つ。出口には新作のインスタレーションも設置されている。

山口さんのファンという東京都から訪れた男性(71)は「線がきれいで、勢いのある筆さばきが好き。遊び心があるけれど、しっかり書いてあるのが分かる」と話した。

同館の現代美術センター芸術監督の浅井俊裕さんは「今までの山口さんには珍しい油絵風の作品も多く、“新境地”を開く展示となっています」と来場を呼び掛けている。  (安ケ平絵梨)



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