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戦災復興、地図や写真で 全国200都市の変遷

茨城の3市を取り上げたコーナーで「戦災の様子を地図で見てほしい」と話す山根清一さん=つくば市北郷
茨城の3市を取り上げたコーナーで「戦災の様子を地図で見てほしい」と話す山根清一さん=つくば市北郷


太平洋戦争前後の国土の変遷を追う企画展「戦災からの復興」が、つくば市北郷の国土地理院・地図と測量の科学館、2階特別展示室で開かれている。今年が終戦から70年を迎えることから企画。戦中の被害や戦後の復興の様子を地図や模型、空中写真などでたどり、変遷を分かりやすく展示したのが特徴。国土地理院の技術専門員、山根清一さん(59)は「国土の様子から、戦争や戦後の歩みを見てほしい」と話している。


企画展の会場では、入り口正面に「戦災都市地図」が設置され、来場者の目を引く。全国200都市以上の被害の規模を示した。

同展では、特に甚大な被害を受けた全国各都市を取り上げている。被害状況を色分けした地図や、米軍が撮影した空中写真、戦災地の立体地形模型などが並ぶ。都市別では大空襲を受けた東京や、原爆被害のあった広島、長崎、地上戦のあった沖縄などを取り上げている。

戦後、115都市が「戦災都市」に指定され、特別都市計画法が公布された。戦後から2009年にかけて撮影された、4枚の東京都の写真には、復興と発展を遂げる推移が映る。

県内では日立、水戸、土浦の3市に焦点を当てた。戦中、工業都市として軍需産業を担っていた日立市は、空襲と戦艦からの艦砲射撃により大被害を受けた。1946年の日立市航空写真には、着弾の生々しい跡が、黒い点として残っている。

山根さんは「廃虚になった国土の足取りを追うことで、先人の思いや戦争について考えてもらえれば」と話している。同展は6月28日まで。月曜休館(月曜祝日は火曜)、入場無料。開館時間は午前9時半〜午後4時半。

(安ケ平絵梨)



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