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JA茨城旭村 メロン、マレーシア輸出

県産メロンのマレーシア輸出第1便の積み込み作業=鉾田市造谷
県産メロンのマレーシア輸出第1便の積み込み作業=鉾田市造谷


日本一のメロン産地を支える鉾田市のJA茨城旭村(佐伯美代志組合長)などは11日、同市産メロンのマレーシアへの輸出を今週にも始めると明らかにした。県産メロンの試験輸出はこれまでにもあったが、本格的な商業ベースとしての輸出は県内初。高品質の県産品を海外に売り込む足掛かりとし、今後は輸出拡大によって地域の活性化にもつなげたい考え。

同JAと日本貿易振興機構茨城貿易情報センター(ジェトロ茨城)が同日、記者会見した。同JAは、マレーシアの食品輸入会社と契約し、都内の同社代理店経由で、今週末にも船便で250箱(約1・25トン)を輸出する予定。

昨年6月、同JAがジェトロ茨城に協力を要請したのをきっかけに、輸出先などを模索してきた。同9月にはマレーシアの首都クアラルンプールの商談会で、同社が日本からのメロン輸入に高い関心を示した。このため今年2月、同社関係者を産地に招き、生産現場を案内し、県産メロンを売り込んだ。

全国で2例しかない光センサーで出荷分の糖度測定を全量測定する最新鋭設備や、メロン一つ一つの糖度や生産情報を公開しているなどの品質管理体制が決め手となり、4月に最終合意に至った。

輸出する品種は、赤肉で滑らかな口当たりのクインシー。同JAの青果物管理センターで出荷メロンの全量を光センサーで測定し、糖度13度以上の甘さが保証された物だけを選んだ。大きさは1個約1キロの2Lサイズ。現地では富裕層などに絞り、1個4千円程度で販売されるという。

ジェトロ茨城によると、国産メロンの輸出先は香港が8割超。マカオ、台湾、シンガポール、マレーシアと続く(金額ベース)。上位4国(地域)では本県産の果実は輸入停止などの規制措置が継続している。

海外輸出は、産地の今後を占う大きな試金石となる。同JAによると、高齢化や後継者不足で同JAの生産者はピーク時の400人超から半分以下の182人まで減っている。輸出で販路を拡大し、地域活性化やブランド化の向上を図り、担い手不足解消にもつなげていきたい考え。

会見で佐伯組合長は「メロンの品質や管理体制などが評価され、海外輸出できるのは光栄な事。付加価値を付けて継続して販売できれば生産者にとって大きな励みとなる」と期待感を示した。

(松崎亘)

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