がんへの理解求め行進 患者や医療従事者700人 つくば
がんへの理解を深めようと、がん患者や家族、医療関係者らが夜通し歩き続けるイベントが16日、つくば市学園南2丁目の研究学園駅前公園で始まった。参加者約700人が17日正午ごろまで交代で公園内を歩き、がんに対する知識を幅広く啓発する。
イベントは、日本対がん協会などが主催する「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2015茨城」で、今年で6回目。がんと24時間闘う患者への支援を求め、アメリカで1985年に一人の医師が競技場のトラックを24時間走ったことがきっかけで、日本では2006年に同市で初めて開かれた。
参加者は、白いハトを模した風船を一斉に空へ放ち、16日午後3時ごろに公園内をスタート。がんを啓発するプラカードや旗を持って歩き、沿道に笑顔で手を振っていた。
大会会長の永田恭介筑波大学長は、「『がんは悲しい』ではなく、身近な疾病の一つだという気持ちを育てる大事な大会」と述べた。
希少がん「成人軟部肉腫」の患者と家族が参加するNPO法人「キュアサルコーマ」は今回で5回目の参加。理事長の大西啓之さん(53)は「肉腫は専門医が少なく、治療法が確立していない。肉腫を知ってほしいと思い参加した。患者にとってもこういう場での交流が一番の治療になる」と話した。(鈴木里未)