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鳥獣から農作物守れ 那珂で捕獲隊出陣式

「くくりわな」を仕掛ける隊員の中島久男さんら=那珂市戸崎
「くくりわな」を仕掛ける隊員の中島久男さんら=那珂市戸崎


イノシシなど野生の鳥獣から農作物などを守るため、那珂市で「有害鳥獣捕獲隊」(沼田三次隊長)が発足した。9月17日までの3カ月間、市内の常磐自動車道北側の山林に「くくりわな」を仕掛け、朝のパトロールや日中の捕獲活動を実施する。市農政課は「わな設置場所の樹木などには標識を設置しているが、実施期間中は、事故防止のため山林への立入りは控えてほしい」と話している。


17日には、同市福田の市役所で有害鳥獣捕獲隊の出陣式が行われた。同隊は県猟友会那珂支部の会員18人で構成され、同市と委託契約を締結。鳥獣被害軽減や捕獲の担い手の育成に取り組む。

出陣式の後、沼田隊長と県鳥獣保護員の石川近光さん、隊員の中島久男さんらは早速、同市戸崎の山林にわなを仕掛けた。中島さんは「近くに畑があり、手入れをせずにやぶになっている場所が、イノシシの通り道になっている。昨年度は6カ月間で53頭捕獲した。農作物の被害防止に協力したい」と話した。

市農政課によると、猟友会員の高齢化や東京電力福島第1原発事故によるイノシシ肉の出荷制限の影響などから、市内ではイノシシの頭数が年々増加しているという。イノシシの捕獲数も2010年度が20頭、11年度23頭、12年度86頭、13年度131頭、14年度は142頭に上っている。

沼田隊長は「農作物の被害金額は小さくとも、農家の気持ちを考えると被害は大きい。市民の安心安全のために駆除に貢献できるように頑張っていきたい」と抱負を述べた。

海野徹市長は「イノシシの頭数が増え、農作物の被害だけにとどまらず、人間に対しての危険性も高まっている。けがに注意して活動してほしい」と期待を込めた。

(小田内裕司)



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