TX車両工場を初公開 つくばみらい 開業10年、安全の拠点
つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(柚木浩一社長)は6日、つくばみらい市筒戸のTX総合基地の車両工場を報道関係者に初めて公開した。車両の点検や検査、修繕を行う安全輸送の拠点。8月の開業10周年を機に行われた。
総合基地では、10日ごと、3カ月ごとに車両を検査している。特に走行装置やブレーキなどの重要部検査は、車両工場で4年ごとに18日間かけて行う。
この日、検査2日目の車両からパンタグラフや空調設備、台車が次々と取り外された。確認し合う作業員の声が響く中、車体は床から約2メートルの高さまで釣り上げられた。
モーターを外した台車は、80度の湯と薬剤で、30分かけて洗浄。茶色に汚れていた台車はグレーに輝いた。さらに塗装し、車体と組み、基地内で試運転する。
TXの保有車両は計222両。同工場では多い時で約120人が稼働する。これまで見学者の安全確保の観点から公開されることはなかった。
車両管理所の小森良平さん(25)は「お客さまが安心して乗車できるよう日々検査している」。遠藤正宏常務は「大きな事故なく、開業から10年を迎えられる。技術と人によって安全を支えていく」と語った。
(松田拓朗)