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100年前の無線技術再現 情報通信研究機構と中高生

「同時送受話」無線の再現実験をする東京電機大中学校・高等学校無線部員ら=県立児童センターこどもの城
「同時送受話」無線の再現実験をする東京電機大中学校・高等学校無線部員ら=県立児童センターこどもの城


旧逓信省の研究所が100年前、同時に話し、聞くことのできる無線技術を世界で初めて開発したことを記念して、研究所の流れをくむ情報通信研究機構(東京都小金井市)の職員と中高生たちが18日、100年前と同じひたちなか市と大洗町の2地点で実験を再現した。現代の携帯電話の源流ともいえる基本技術で、参加者は「先人がつかみ取った技術の成功をかみしめ、若い世代に伝えたい」と感慨深げだった。


旧逓信省が先端技術開発のため、電気試験所平磯分室と同磯浜分室を設置したのが100年前の1915(大正4)年。同時送受話技術は、二つの周波数に共振する特殊なアンテナを設計し、送信と受信をそれぞれに割り当てて実現した。17年には公開実験を実施している。船舶上の無線と固定電話を結ぶ通信にも適用された。

再現実験を行ったのは情報通信研究機構の職員と、東京電機大中学校・高等学校(小金井市)の無線部員。県立勝田工高の無線部員も見学した。

旧平磯分室を引き継ぐひたちなか市磯崎町の同機構平磯太陽観測施設と、約6キロ離れた磯浜分室跡地に立つ大洗町磯浜町の県立児童センターこどもの城の2地点に、仮設アンテナとアマチュア無線機を設置。144メガヘルツと430メガヘルツを、送信と受信に充てて通信した。

交信を開始すると、無線局名を名乗り合って、「同時送受信無線のテストをしています。100年前の実験成功を記念して実施してます」などと宣言し、2地点の現状などを報告し合った。

東京電気大高校の植田健斗君(16)は、「100年前の日本で、技術開発したとはすごい。さらに、無線のことを学びたいと思った」と感想を話した。

(武藤秀明)



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