世界オセロ、水戸で来年11月開催 06年以来、10年ぶり2回目
盤上ゲーム・オセロの発祥地である水戸市は3日、来年11月の「第40回世界オセロ選手権大会」(日本オセロ連盟、世界オセロ連盟主催)の開催地に同市が決まったと発表した。同市での開催は2006年以来、10年ぶり2回目。今回は約30カ国・地域から過去最大の100人ほどが参加する予定だ。
開催を発表した会見で、高橋靖市長は「伝統と権威ある大会を成功に導きたい」と語り、プレイベントで周知を図るとともに大会を観光振興につなげたい考えを示した。
大会は来年11月1日から4日間、市内のホテルで開かれる。
開催地をめぐっては、国内4都市が候補に挙がっていた。水戸市は2年前から誘致活動に取り組み、大会への全面協力を申し出るなど「熱烈なオファー」を展開、これが決め手になった。
市文化交流課によると、06年の30回大会は民間ベースで運営された。今回は市が商工団体などと実行委員会を立ち上げ、官民で大会を盛り上げる方針だ。
今秋のプレイベントとして、6日に全国大会の一つ「王座戦」を8年ぶりに市内で開催。10月25日には中心市街地で開かれる「水戸まちなかフェスティバル」でオセロの体験イベントを実施する。
この日の会見で、オセロ考案者で日本オセロ連盟会長の長谷川五郎さん(82)は「前回の水戸開催は外国選手の評判が非常に良かった」と強調。世界オセロ連盟のベンクト・スティントフト理事(50)は「水戸は特別な場所だ」と感慨深げに話した。
水戸開催決定を受け、日本オセロ連盟茨城ブロック長の和泉貴士さん(36)=水戸市=は「オセロの奥深さや魅力を知ってもらうイベントをどんどん仕掛けていきたい」と喜びを語った。
オセロは同市出身の長谷川さんが旧制水戸中(現水戸一高)在学時の1945年、囲碁を知らない友人のために考案。玩具メーカーが商品化した70年代にブームが起き、世界中で親しまれるゲームに発展、愛好者人口は現在、6億人に上るという。(小野寺晋平)