現代美術6作家“競演” 県近代美術館 神々や自然テーマに
県内中心に活動する現代美術作家6人を取り上げた企画展「6つの個展 2015」が5日、水戸市千波町の県近代美術館で開幕する。古来の神々や自然、水などをテーマに、作家がそれぞれの世界観を披露。色彩や表現豊かな抽象作品が“競演”した。茨城の多彩な現代美術を紹介し、来館者に新たな美術との出合いの場を提供する。10月18日まで。
「6つの個展」は、1996年以来2回目の開催。今回は画家の立見榮男(ひでお)さん(笠間市)、横須賀幸男さん(水戸市)、間島(まじま)秀徳さん(かすみがうら市)、内海(うちうみ)聖史(さとし)さん(境町)、版画家の佐藤杏子(きょうこ)さん(土浦市)、造形作家の島剛(つよし)さん(那珂市)が出品。公募団体で活躍する重鎮から東京都内などで個展を開く新進気鋭の若手まで、幅広い作風、年齢の作家が集まった。
1977年生まれの最年少の出品者で、色彩豊かな点描を手掛ける内海さんは、展示空間も作品の一部として意識。仕切られた二つの部屋に一つの作品を分割して展示するなど、斬新な発想が注目を集める。
島さんは、ガラスを用いた近作を発表。「白泥の宙(そら)」は約1トンの重厚な造形作品で、あめ細工のような光沢を持ち、不思議な存在感がある。島さんは「生命の原初的な姿を表現したい。心に映し出される風景を自由に感じてもらえれば」と話している。
4日はオープニングセレモニーと内覧会が行われ、県教育庁の伊藤哲総務企画部長や尾崎正明館長らがテープカットを行った。(安ケ平絵梨)