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ヒマワリの種 児童、NPOに贈る 鉾田・旭南小

大和田さん姉妹(左)に袋詰めしたヒマワリの種を渡す児童ら=鉾田市樅山の市立旭南小
大和田さん姉妹(左)に袋詰めしたヒマワリの種を渡す児童ら=鉾田市樅山の市立旭南小


東京電力福島第1原発事故の影響を受ける福島県を応援しようと、「福島ひまわり里親プロジェクト」に参加する鉾田市立旭南小(江橋惣一校長、児童数137人)は3日までに、校庭や家庭で育てたヒマワリの種をNPO「チーム福島」に贈った。児童会がこれまでの活動を報告。NPO理事で同県に転校した大和田紗希さん(11)、みず穂さん(7)姉妹に手渡した。

プロジェクトは全国の里親がヒマワリを育て、取れた種を福島で咲かせて観光や障害者雇用、事故被害の風化防止など復興に役立てるのが狙い。姉妹は同県富岡町出身で事故後4年間、母親の実家がある鉾田市へ避難。今年3月、父親が残るいわき市内に帰郷(転校)する際、児童会に数袋分の種を託してプロジェクト参加を呼び掛けた。

児童会は姉妹の思いを受け参加を決定。「旭南ひまわりプロジェクト」と称して、家庭や地域に協力を呼び掛けた。種の購入費に5万1700円の募金が集まり、里親として52軒が賛同。90袋分の種を買い、6月に校庭にまくと8月には満開の花を咲かせた。9月に種を収穫し全体で64・2キロが集まった。

児童会の細谷唯人会長(11)は活動報告で「僕たちにできることは小さなことかもしれないが、福島とつながることができた。地域でも家庭でも思った以上に広がった」と喜び、プロジェクト継続を誓った。

紗希さんは事故後の経緯や近況を報告。「鉾田市の花はヒマワリ。多くの花を咲かせて」と期待する一方、「みんなが頑張って育ててくれたのがすごく支えになった」と感謝。「福島の小学校で育てたい」と笑顔で話した。

種の贈呈は同校の学習発表会「南っ子まつり」の中で行われた。紗希さんの父でNPO監事、勲さん(38)によると、贈られた種は福島県内1万6千カ所の学校や企業に配られるという。

同校の「旭南ひまわりプロジェクト」は来年2月に福島県内で開かれる全国大会「ひまわり甲子園2016」で報告される。関東大会を飛び越え、いきなり全国でのプレゼンテーションになる。 (島田真太郎)

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