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那珂市の市民投票条例案 「常設型」1票差で否決

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那珂市議会は11日、定例会最終日の本会議で、常設型の市民投票条例案について賛成10反対11の賛成少数で否決した。条例案を審議した総務生活常任委員会の採決結果通りとなったが、わずか1票差だった。海野徹市長は来年2月の市議会改選後にあらためて提案する意向を示している。

条例案は、市民と市議会、市長がそれぞれ市民投票を請求(発議)できると規定。市民の請求は有権者の5分の1以上の署名提出を条件に、市長の発議は市議会の意見を考慮した上で、ともに議会の議決なしで市民投票の実施が決まる。市議会は過半数の議決を得て市長に請求できる。

本会議で、萩谷俊行委員長は賛成1反対6の賛成少数で条例案を否決すべきものと決めた審議結果を示し「議会の議決なしで市民投票が行われるのでは、二元代表制のバランスが崩れる。議論が不十分」と報告した。

6人の討論のうち5人が反対の立場で、「市長発議で議会の議決を必要としないのは、市長の独断を許すことになる」「住民投票は最後の手段にすべき。ポピュリズム(大衆迎合)に流される恐れがあり、慎重を期すべき」などと主張した。

賛成意見は「市民の市政参加を広げる。有権者の5分の1で住民投票が実現する画期的な内容。市長独裁の懸念も解職請求などで対抗できる」とした。

海野市長は「残念だが、議員一人一人の考え方を把握でき(提案した)意義があった」と述べた。(武藤秀明、小田内裕司)



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