霞ケ浦湖岸舞台の映画「花蓮」 地元有志の力で上映

霞ケ浦湖岸を舞台にした映画「花蓮〜かれん〜」が23日、土浦市川口の土浦セントラルシネマズで上映され、五藤利広監督や出演俳優による舞台あいさつが行われた。映画は2011年に撮影されたが、予算などの関係でこれまで東京、大阪など数カ所での上映にとどまっていた。今回、地元有志の呼び掛けで県内の映画館では初の上映が実現した。
映画は、主役の三浦貴大さんとキタキマユさん(鹿嶋市出身)のほか、城之内正明さん(取手市在住)などが出演。土浦市などの霞ケ浦湖岸の景色をバックに、家業のレンコン農家を継ぐか将来に悩む設計士(三浦さん)が、幼なじみの女性と日系タイ人のホステス(キタキさん)に引かれていく姿が描かれている。
舞台あいさつでキタキさんは「東日本大震災後、自分の故郷のためにできることって何だろうと考えていた。同じ茨城でも、自分が育った場所とは景色が違った」と撮影を振り返り風光明媚(めいび)な湖岸の風景をアピールした。
五藤監督は「震災もあったりして、映画がなかなか公開できなかったが、地元で見ていただけてうれしい」と話した。
映画は11年秋、土浦と行方、つくば、阿見町の4市町内で撮影。五藤監督と地元有志が“手弁当″で作り上げた。これまでに東京と大阪の二つの映画館で公開した。
県内での上映には、鹿行地域のタウン誌・マイ・タウン21の横田照実編集長が地元有志と結成した「花蓮をロケ地で上映する会」が尽力。11〜12月にかけて行方、つくば両市で「プレ上映会」を開き、さらに今月19日からの同館での上映にこぎ着けた。同館での上映は1月中旬までの予定。(鈴木里未)