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育児と仕事の両立支援 上司が意識改革を 日立でイクボス講座

講演やワークショップでイクボスの必要性や10か条などを学んだイクボス養成講座=日立市幸町
講演やワークショップでイクボスの必要性や10か条などを学んだイクボス養成講座=日立市幸町


“仕事が人生”の仕事漬けから脱皮を-。企業などの管理職向けに、育児と仕事の両立を支援する「イクボス養成講座」が20日、日立市幸町の日立シビックセンターで開かれ、NPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表が「イクボスのマネジメント力を高める」と題して講演した。県主催。

イクボスとは、部下のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、キャリアと人生を応援しながら組織に貢献する結果を出し、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司のことで、政府は昨年春に▽イクボスや子育てを尊重するような企業文化の醸成、パワハラ防止▽5年後に「男性の配偶者の出産直後の休暇取得率80%を実現」を閣議決定している。

イクボスが必要とされる背景には、男性新入社員の約7割が「子どもができたら育休を希望する」(日本生産性本部・2013年秋調査)としており、女性が働いたり、男性が家事をしたりすることに若い世代は抵抗がなくなってきていることや、都市部では「共働き・共育て」でないと生活できなくなっていることが挙げられる。

男性の育児休暇取得や女性の活躍推進、長時間労働の是正には「上司の古い固定化した価値観や仕事のやり方、男女の役割意識が妨げになっている」ことから上司の意識改革が必要で、スタッフの生活事情全般へ理解を示すイクボスの存在が重要となってきている。

イクボスは部下の家族構成を知り、保育園からの電話に理解を示し、部下を伸ばすことなどができる人で、残念なダメボスは「ビジネス書ばかり読み、夕方5時からエンジンがかかる上司。昔の成功体験を語る上司や自宅がアウェー状態の上司も駄目で、体育会系のボスに多い根性論は残業につながる」とし、このような職場では部下はやる気が出ず、早く異動や退社したいと考えると指摘した。

1歳の男の子と3歳の女の子を育てながら水戸市内のスーパーマーケットに勤務する中林望さんは「部下のプライベートも把握し、イクボスを目指すためにも定時に帰って子どもたちと遊びたい」と話した。

次回は、2月10日午後1時半から土浦市大和町の県県南生涯学習センター小講座室1で開催する。申し込み、問い合わせは県女性青少年課男女共同参画グループ(電)029(301)2178

(小室雅一)

■イクボス10か条
(1)現代の子育て事情を知り、部下が子育てや介護に時間を割くことに理解を示す。
(2)子育てや介護などに時間を割いている部下を差別(冷遇)せず、ダイバーシティな経営をする。
(3)子育てや介護のための社内制度や法律を知っていること。
(4)子育てや介護などを軽視せず積極的にワーク・ライフ・バランスを推奨する。
(5)転勤(単身赴任)など、部下の生活に大きく影響を及ぼす人事については最大限配慮する。
(6)育休・介休取得者が出ても、組織内の業務が滞りなく進むために情報の共有化やチームワークの醸成など可能な手段を講じる。
(7)部下が子育てなどの時間がとりやすいよう、会議の効率化や書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制を進める。
(8)経営者や人事部に対し、子育てや介護などを重視した経営をするように提言。
(9)イクボスを実証し、社会に広める努力をしていること。
(10)ボス自ら仕事と生活の両立を重視し、人生を楽しむ。



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