【真壁のひなまつり支局】高久家住宅が拠点
桜川市真壁地区で4日から始まった「真壁のひなまつり」に関連し、茨城新聞社が開設した臨時支局「真壁のひなまつり支局」が入る国登録有形文化財「高久家住宅」では、ひなまつり期間中、カフェや地元産品販売、観光案内など観光拠点として活用される。住宅は2011年3月の東日本大震災で大きな被害を受け、取り壊しの危機に見舞われたが、地域住民の働き掛けで修復・保存が決まった。
市教委によると、高久家は関西から真壁へ移住してきたとされ、住宅は明治時代に建てられたとみられる。職種やいつごろ店を構えたのかは分からないという。先代までは肥料商を営んでいた。建物は2階建て延べ床面積約220平方メートル。
東日本大震災では壁や屋根が崩れ、所有者が取り壊す方向で検討していたが、住民らから「ぜひ歴史的建造物として残してほしい」と声が上がり、所有者が建物を市に寄付。昨年修復工事が終わり、前回のひなまつりでは文化財を利用した新たな観光拠点として活用が始まった。
昨秋には筑波大生によるアート展の会場の一つとして芸術作品鑑賞の場に。今回は、昨年に引き続き同大芸術専攻の学生と協力して地元特産の石材作品を展示・販売する「石匠の見世蔵組合」が出店するほか、異業種の若手が集まる「桜川本物づくり委員会」(代表・西岡勇一郎西岡本店社長)がカフェや地元産品販売、市観光協会が観光案内をする。
西岡代表は「カフェも地元業者が日替わりで出店するのでぜひ楽しんでほしい」と話している。
同住宅は真壁地区の中心部、下宿通りと通称「御陣屋前通り」の交差点の北東角に位置する。(大高茂樹)