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筋ジスや脳性まひの5人 障害者の自作CD完成

完成したCDを手にするメンバーたち=日立市会瀬町
完成したCDを手にするメンバーたち=日立市会瀬町


筋ジストロフィーや脳性まひなどで身体に重い障害がある人たちが、制作を進めていたCDが完成した。CDには自ら作詞作曲した歌計10曲を収録。CD制作メンバーらが参加した音楽講座が2日、日立市会瀬町の市社会福祉協議会地域活動支援センター「ゆうあい」であり、収録曲が披露された。CDは希望者に販売し、収益を市社協を通じて熊本地震の被災地に送ることを決めた。

CDを制作したのは桜井敏幸さん、高柿祐二さん、根本尚さん、中嶋久子さん(以上日立市)と、都所健一さん(東海村)の20〜50代の5人。まひなど身体に重い障害があり、言葉をうまく発せない人もいる。都所さんは自宅で、ほかの4人は同センターの音楽講座で、講師の村上邦子さん(68)=同村=から作曲指導を受けている。

作曲はドレミの音階を数字にしたり、一覧表にしたリズム表を使ったりして意思表示し、曲を組み立てる。一小節ごとに村上さんがピアノで再現し、少しずつ曲を完成させた。歌詞には「まだまだ人生80年 この合言葉に助けられ 今の私がいる」など5人の思いが込められている。

完成した歌は、元音楽教諭の野村浩子さん(68)=日立市=が編曲し、野村さんによるピアノの弾き語りで収録した。

2日の音楽講座には、野村さんが訪問し、収録曲を弾き語りで披露した。「楽譜と歌詞からどんな風に歌ってほしいか、想像しながら歌った。皆さんの努力が私の励みになっている」と野村さん。CDが無事に完成し、中嶋さんは「一生の宝物になった」と満足げ。根本さんは「みんなで心を一つにして作ったのでよかった」と笑顔を見せた。

CDは1枚500円。購入希望者は、日立市社協を通じて受け付けている。4日に東海村で開かれる「ふれあい福祉まつり」でも販売する予定。(平野有紀)



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