努力結実、夢の舞台へ 鉾田一高競技かるた部
映画「ちはやふる」で人気の高まる競技かるたの全国高校選手権大会に、県立鉾田一高競技かるた部が本県代表として初めて出場する。大津市の近江神宮で23日から開かれる同大会は「かるた甲子園」とも呼ばれ、高校競技者にとって夢の大舞台。主将で3年の津村篤志さん(17)は「1年間ずっと頑張ってきた努力が報われた。ベスト8を狙う」と目標を掲げた。
「頭と体、集中力。全て必要な競技」。練習場の畳をたたく音が響く中、顧問の武田昭彦教諭(51)が競技の魅力を語る。2012年10月、映画の原作となった人気漫画の影響で生徒4人が同好会を立ち上げたのが始まり。14年5月に部に昇格し、現在部員は17人。今春の映画のヒットも手伝って、ことしは1年生9人が入部。過去最多で「最強」(武田教諭)の部員が集まった。
同校にとって同大会出場は悲願。文化部のインターハイ「全国高校総合文化祭」は1年目から本県代表選手を輩出したが、学校対抗の同大会は県予選会で3年間、ライバル校の壁を越えられなかった。競技は5人による団体戦で、3勝した方が勝つ。同校は今年5月の県予選決勝でライバル校に3-2で勝ち、4度目にして出場権をもぎ取った。
「畳の上の格闘技」と称される競技かるた。互いに25枚ずつを横87センチの範囲に3段に配置し、最初の15分で札の配置を覚える。句の1、2語を聞き分け、札を87センチの外にはじく。1戦1時間半かかるとされ、勝ち抜くと一日に5試合ほど戦う。記憶力のほか、忍耐力や集中力、瞬発力がいる。
同部の活動はほぼ毎日。運動部並みに練習を積む。段位を得るには大会で勝つほかなく、週末には県外の大会に出て腕を磨く。有段者は現在6人になった。
設立5年目での大会出場に武田教諭は「(ライバルに負けた)悔しさからずっと頑張ってきて、今年花が開いた」と努力の末の快挙をたたえた。 (島田真太郎)