長久保赤水の新資料整理 高萩 茨城大教授ら、中国図など
日本学術振興会(東京)の科学研究費助成事業基盤研究「長久保赤水の地図製作プロセスに関する研究」で、茨城大教育学部の小野寺淳教授らが7日、高萩市高萩の市歴史民俗資料館で、赤水の子孫宅の蔵の中から新たに見つかった資料などの整理を行った。
プロジェクトは2014年から3年間の調査。赤水が読んで、疑問点を朱筆した漢籍を調べ、それが地図にどう反映されているかなど、地図作製のプロセスの解明が目的。今回の4日間の現地調査は赤水が作った中国図の調査が中心という。
調査には小野寺教授や同大の大学院生、学生などが参加。千点にも及ぶ地図などの資料の撮影や、子孫宅から見つかった掛け軸や書簡を保管用の紙に収めるなどの作業を行っている。
高萩市出身で同大教育学部1年の沼田和希さん(19)は調査に初参加。「小学校の授業で学んだ、実際のものに触れるのは貴重な機会。地元の偉人を伝えていきたい」と慎重な手つきで作業を行っていた。
小野寺教授は「国の重要文化財になってもおかしくないものもある。18世紀後半から江戸時代にかけて日本人に一番なじみ深い地図は赤水が作った地図。研究はこれからだが、大きな成果を期待している」と話した。 (飯田勉)