山間部で健康チェック 移動販売に看護師同行
日立市から北茨城市にかけての山間部で、高齢者の買い物支援を狙いに移動販売車を運行するJA常陸・高萩営農センター(高萩市本町)は19日、移動販売に看護師などが同行し、利用者らの健康チェックや相談に応じるサービスを実施した。同日は日立、高萩両市の5カ所で無料の健康相談会を実施し、「気軽に利用できる」と高齢者から好評だった。同センターによると、移動販売の際に健康相談を行う取り組みは珍しく、県内のJAに先駆けたサービスとし、「実施場所や回数を増やしたい」と意気込んでいる。
同センターは2014年7月から、食料品や日用品を扱う店舗が少ない山間地域で移動販売車を運行。月〜金曜の日替わり5コースを設定し、公民館や広場、個人宅など計89カ所に停車して販売サービスを実施している。
利用者の多くが高齢者であることなどから、サービスの充実を図ろうと、JA県厚生連や県北医療センター高萩協同病院の協力を得て「移動販売車健康相談会」を実現させた。
同日は、計14カ所で移動販売を行い、このうち5カ所で健康相談会を行った。販売車に同行した同厚生連保健医療推進課の職員と看護師が、希望者を対象に血圧や血管年齢の測定した後、日常生活の中でできる簡単な運動や食生活の注意点についてアドバイスし、相談にも応じた。
高萩市の中野利兵衛さん(80)は「車で出掛けなくても、近くに来てもらえるのは助かる」と取り組みを歓迎。また、同市の菊地かつさん(75)は「測ったことのない血管年齢を調べてもらい、年齢よりも若いと知ってホッとした」と喜んだ。
同課の吉田順一課長は「血管年齢などに問題がなければ、安心して生活を送れる一つの要素になる。健康についてちょっとした悩みを話せる場が大切だと思う」と話した。
今後も協力機関と調整しながら健康相談を実施する方針。同センターの滑川光弘さんは「コースを変えながら場所や回数を増やし、全地区で実施できるようにしたい」と説明した。 (飯田勉)