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磁場コイル組み立て開始 那珂研JT-60SA、作業「おおむね順調」

球形の真空容器の外側に取り付けられた磁場コイル(中央の突起部分)=那珂市向山、根本樹郎撮影
球形の真空容器の外側に取り付けられた磁場コイル(中央の突起部分)=那珂市向山、根本樹郎撮影


量子科学技術研究開発機構・那珂核融合研究所(那珂市)は、欧州連合(EU)と共同で建設を進める核融合実験装置「JT-60SA」について、超高温プラズマを真空容器内に閉じ込めるために必要な磁場コイルの組み立てを始めた。これを記念した式典が12日、同研究所で開かれた。

JT-60SAは核融合発電の実現に向けて1億度を超える超高温プラズマの実験を行う装置。取り付けが始まったコイルはプラズマを閉じ込めるために強力な磁場を生み出す役割を果たす重要機器の一つ。

コイルは高さ7・5メートル、幅4・6メートル、重さ22トンのD型の形状で、ドーナツ状の真空容器の外側を覆うように設置される。中の超伝導導体には約2万6千アンペアの電流を流せる。

取り付け作業は昨年12月末から始まり、2017年中に全18個を据え付ける予定という。コイル製作はフランスとイタリアが担当している。

同研究所の白井浩プロジェクトリーダーは目標に掲げる実験装置の19年稼働に向けて「作業はおおむね順調」と語った。

同日の記念式典には、水落敏栄文部科学副大臣やプロジェクトに参加する欧州関係者など約130人が出席し、コイルの製作と組み立て開始を祝った。

核融合は太陽で起きている反応で、研究はこれを地上で再現してエネルギーとして利用する試み。少ない燃料で大きなエネルギーを取り出すことができ、高レベル放射性廃棄物も発生しない利点がある。 (戸島大樹)



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