茨城大でワークショップ 地方14紙、読み比べ
![切り抜いた「一押し記事」について語り合う茨城大生と那珂高校の生徒たち=水戸市文京の茨城大学図書館](https://ibarakinews.jp/photo/14849101556642_1.jpg)
テーマに沿って気になる新聞記事を持ち寄り、テーブルを囲んで語り合いながら「一押し記事」を選ぶゲーム形式の新たなワークショップ「ニューステーブル」が18日、水戸市文京の茨城大学図書館で開かれた。全国14の地方紙が閲覧できる館内の「新聞マルシェ」を活用して、ニュースの見方を深めてもらおうと、マルシェ運営に当たる同大と茨城新聞社が初めて企画。同大生に県立那珂高校の生徒も加わって総勢約50人が体験し、茨城新聞の若手記者2人が記事の読み方などを助言した。
ワークショップは「若者」「就職」「地方創生」などのテーマ別に4〜5人のグループに分かれ、同大生がリーダーとなって進行。参加者はまず地方紙を読み比べ、気になった記事を一つ切り抜いて、テーブルに持ち寄った。集まった記事全てを読んで、それぞれ感想を発表。投票で、グループの「一押し」を決めた。
「アメリカ」がテーマのグループでは、秋田魁新報(秋田県)が「海外移転企業へ課税強化」と1面で報じたドナルド・トランプ次期大統領当選後初の記者会見の記事を選出。これを切り抜いた那珂高2年の綿引楓さんは「見出しが大きく写真と図解があって、とても分かりやすかった」とアピールした。グループリーダーを務めた茨城大4年の松本奈津美さんは「全国の地方紙を読み比べると、1面も地方色があって全く違うので、とても新鮮」とワークショップを満喫。普段は下野新聞(栃木県)のツイッターをフォローし、出身地のニュースに触れているが、「気になる記事はマルシェを利用し、紙面でチェックするようにしている」と強調した。
同大出身で、助言に当たった茨城新聞社整理部の市毛雅奈子記者と報道部の松原芙美記者は「ニュースの選び方、感じ方がみんな違う。新聞は継続して、紙面の特色や規則性を知って読むと、楽しく読める」と新聞の魅力を伝えた。
ニューステーブルを企画した同大社会連携センターの副センター長で、人文学部の西野由希子教授は「今後も、参加学生が主体的に企画してくれることを期待したい」と話していた。 (澤畑和宏)
★新聞マルシェ
茨城大学と茨城新聞社の連携事業の一環で、茨城大学図書館(水戸市文京)に2014年開設された。全国の地方紙14紙が閲覧でき、過去3カ月分のバックナンバーをそろえる。当初10紙でスタートし、順次拡充。一般市民も利用できる。14紙は、茨城新聞のほか▽東奥日報▽デーリー東北▽岩手日報▽河北新報▽秋田魁新報▽福島民報▽福島民友▽下野新聞▽上毛新聞▽神奈川新聞▽山梨日日新聞▽沖縄タイムス▽琉球新報。