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文化の機運醸成へ 水戸「エンジン01」開幕

「明治維新は水戸から始まった」をテーマに行われたシンポジウム=水戸市千波町
「明治維新は水戸から始まった」をテーマに行われたシンポジウム=水戸市千波町


文化や芸術の祭典「エンジン01文化戦略会議オープンカレッジin水戸」が17日、水戸市千波町の県民文化センターで開幕した。計3日間の日程で、歴史や科学、スポーツなど多彩な分野のシンポジウムと市民向け講座を実施、地域における文化活動の機運醸成を促す。開幕式典で同市の高橋靖市長は「文化都市水戸を世界に発信する刺激的な3日間になる」と力を込めた。

同会議は各分野で活躍する著名人が2001年に発足させたボランティア集団。これまで国内14都市で、オープンカレッジ(講座)を開いてきた。15回目となる今回は「みとれる水戸 みつめる歴史、みつける未来」がテーマ。水戸の歴史や未来を語り合いながら、魅力の再発見を促す。

この日はシンポジウムとコンサートがあり、約3千人が来場した。シンポジウムは「明治維新は水戸から始まった」をテーマに、水戸徳川家15代当主の徳川斉正さんや歴史学者の磯田道史さんらが議論。磯田さんは「天皇を中心とする時代を築いたのが水戸藩であることは間違いない。朱子学を学び天皇を“王者”とすることで、討幕を正当化した」と説明した。

徳川さんは「当時、徳川斉昭公は海外における植民地化の実情を知っていた。(英仏の代理戦争を避けようと)父斉昭公の教えを守った慶喜公が江戸城を無血開城した。頼房公の時代から刷り込まれた『君主は天子』の教えが、日本の行く末を決めた」と語った。

コンサートでは歌手で俳優の倍賞千恵子さんやミュージシャンの白井貴子さんらが歌声を披露し、来場者を魅了した。

18日は同市文京2丁目の茨城大で158人の講師が経済や科学、芸術、食など幅広い分野で計110講座を展開する。 (前島智仁、写真は根本樹郎)

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