建築家・藤森さん、水戸で個展 茶室や家具紹介
建築家、藤森照信さんの個展「藤森照信展 自然を生かした建築と路上観察」が11日、水戸市五軒町の水戸芸術館で始まる。約25年間の制作活動で代表的な建築を模型や写真、スケッチで紹介、新作の茶室や自作の家具なども展示する。立体感にあふれた展示で、藤森さんは「見たことのない珍しい空間だが懐かしさも感じる場所になっている」と話している。
藤森さんは1946年、長野県茅野市生まれ。建築史家として活躍し、45歳で建築家デビュー。自然素材を生かした現代建築を追求し、40件以上の建築作品を手掛けてきた。
藤森さんが老舗和菓子舗「たねや」の本社屋などの設計を手掛けたプロジェクトを紹介するコーナーで、店舗応接間の椅子と机も出品。銅板で覆われ車輪の付いた新作の茶室は、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭が設計した戦車「安神車」に着想を得て同館で制作した。素材見本や、各地の建築作品から集めた自作の家具など藤森さんの世界観を体感できる。路上の物件の面白さを発見する「路上観察」の成果も発表している。5月14日まで。高校生は4月9日まで無料招待。
(大貫璃未)