大声援、願い届いた 牛久 地元PV、市民ら歓喜
地元・牛久市は稀勢の里関の逆転優勝に沸きに沸いた。パブリックビューイング(PV)会場となった同市中央3丁目の市役所ロビーは大歓声に包まれ、集まった市民は立ち上がって喜びを爆発させた。
本割の約1時間前。優勝が懸かったこれまでの千秋楽とは異なり、PV会場は稀勢の里関の体を案じる雰囲気が支配的だった。
後援会応援団長の石渡昇さん(65)は「(取組前は)10人中9人は苦しいと思っていたのではないか」と話した。
それでも、稀勢の里関の取組直前には50人以上の市民がPV会場に駆け付けた。
固唾(かたず)をのんで土俵を見守る中、優勝決定戦で小手投げが決まった瞬間、石渡さんは「最高」と叫び声を上げた。
「神様はいるんですね。まさか二つ勝つとは思わなかった。新横綱のプライドがあったのではないか」。石渡さんは興奮さめやらぬ様子で話した。
涙の優勝インタビューを見て、牛久市の会社員、赤荻秀司さん(51)はもらい泣き。「責任感だけで出ようと思っていたのだろう。勝てると思わなかった。本当の横綱だ」と厳しい状況を乗り越えた稀勢の里関をたたえた。 (鈴木里未)