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“光圀のお茶”復活へ 城里「初音茶」、苗木350本植える

島家住宅敷地で行われた初音茶の定植作業=城里町上古内
島家住宅敷地で行われた初音茶の定植作業=城里町上古内


水戸藩2代藩主の徳川光圀が愛好し、名付けたとされる「初音茶」の生産を復活させるプロジェクトで、本県の三大銘茶の一つ古内茶の生産者や県、城里町の関係者が20日、古くから初音茶が栽培されていた同町上古内地区内に、大子町内で育ててきた苗木350本を植え付けた。長年途絶えていた初音茶の生産を復活させ、古内茶のブランド力強化と販売促進につなげるのが狙い。今後、苗木が順調に育てば、5年後には収穫できる可能性が高いことから、関係者は“光圀が好んだお茶”が再現できると期待している。

初音茶は、同町下古内の清音寺で古くから栽培されていたといい、現在も母木が残る。江戸時代、光圀が気に入って名付けるとともに生産を推奨し、上古内、下古内両地区で茶の栽培が盛んになるきっかけになったとされる。

今回植え付けられた苗木は、2014年7月に母木から採取した挿し穂千本を、大子町の県農業総合センター山間地帯特産指導所に移して育ててきた。ほかの品種に比べて繊細で全体の6割程度が成長し、このうち高さ30〜40センチの元気な苗木350本を選んだ。

植え付け作業は20日、同町上古内の登録有形文化財「島家住宅」の敷地で行い、プロジェクトを進めてきた古内茶生産組合(組合員11人)の組合員と県、町の関係者など約30人が汗を流した。重機を使って掘り起こして土に肥料を混ぜ、苗木を等間隔に植えてわらを敷き、さらに霜よけの布を張った。

島家住宅は町所有の観光資源で、敷地を初音茶復活の拠点とすることで、観光地としての価値を高める狙いもある。

苗木の管理を担当してきた同指導所主任研究員の長田仁志さん(40)は「霜さえしのげば順調に生育してくれるはず」と、5年後までの収穫を見通す。前組合長の高安達夫さん(57)は「随分枯れて不安だったが、定植までこぎ着けられ感慨深い」と喜んだ。

また、組合長の加藤隆さん(69)は「島家住宅で試飲、販売会ができたらと思う。初音茶を通じ、古内茶を全国の方に知ってもらいたい」と期待する。

母木から採取した挿し穂による育苗は14年以降も毎年続けている。今後も同敷地内で苗木の植え付けを続け、4年後までに約600平方メートルの茶畑にする計画。茶葉約300キロの収穫を目指す。

プロジェクトは14年、東京電力福島第1原発事故や、ペットボトル入り飲料の普及などを踏まえ、古内茶のブランド力の強化と販売促進を狙いに立ち上げた。  (今井俊太郎)

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