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木内元監督が講演 甲子園目指し野球を

高校野球について熱く語る木内幸男氏(中央)=つくばみらい市神生
高校野球について熱く語る木内幸男氏(中央)=つくばみらい市神生


県立取手二高、常総学院高の野球部監督として春夏3度の全国大会優勝を果たした木内幸男氏(85)の講演会「高校野球は最高の教育現場〜我が野球人生〜」が23日、つくばみらい市神生のきらくやまふれあいの丘で開かれた。集まった小中学生ら約350人を前に、木内氏は「どんなに弱くても、甲子園を目標に野球をしてほしい」と強調。目的意識を持つ大切さを訴え、指導者や保護者に対しては「子どもたちの夢をかなえてやってほしい。茨城の野球の芽を育てていくことに協力していただきたい」と述べた。


講演会では、取手二高捕手として1984年夏の甲子園で優勝した中島彰一氏(現新日鉄住金鹿島野球部監督)、常総学院投手として2003年夏の甲子園で優勝した飯島秀明氏の教え子も登壇。3人で思い出話を語った。

当時、取手二高が「のびのび野球」と称されたことについて、中島氏は「監督が笑っているのは甲子園でテレビに映っている時だけ。練習や県予選は怒鳴り声しか聞こえず、怖い存在だった」と明かすと、木内氏は「練習が苦しいからこそ、勝った時の喜びが湧いてくる」と断言。桑田、清原擁するPL学園(大阪)との決勝では、「打ったらスターになれっから」と、選手たちをやる気にさせていたエピソードも話した。

勝利の秘訣(ひけつ)について、「良いキャプテンを育てることが、優勝に近づく一歩。大人が引っ張るよりも、同級生だから部員が付いていく」と指摘。「ピッチャーは零点に抑えるんじゃなく、悪い時は悪いになりに投げさせた。そして、一打逆転。勝ちパターンは子どもたちがつくっていくもの」と、高校野球の醍醐味(だいごみ)を語った。

体調不良を理由に講演会の依頼は断っていたという木内氏。「今回は(講演会を主催した)市の担当者の情熱に負けた。これが最後。絶対にやらない」と話しながらも、「今日出てきて、まだ少しはやれるなと思った」と元気な様子。会場は、愛嬌(あいきょう)たっぷりの木内節に終始盛り上がっていた。


(今橋憲正)



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