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歴史秘話講座開始 常磐短大市村特任教授「曝井の那珂市説有力」

万葉集に記載がある曝井について解説する常磐短大の市村真一特任教授=水戸市南町
万葉集に記載がある曝井について解説する常磐短大の市村真一特任教授=水戸市南町


茨城新聞みと・まち・情報館は28日、水戸市南町2丁目の同館で、水戸の歴史秘話講座を開始した。常磐短大の市村真一特任教授が万葉集に記載されている曝井(さらしい)をテーマに講演した。

曝井は水戸市愛宕町に所在するとされているが、同短大の瀧口泰行名誉教授が「第一候補は那珂市の清水洞の上公園の泉」と2013年度の論文で指摘したことを紹介。

市村氏は実際に現場を見た上で、「集落があったとみられる地名が残っている点や、古道の存在を考えると那珂市の『清水洞の上公園の泉』がふさわしい」と解説した。

常陸国風土記は曝井について、「那珂川を挟んで置かれた河内駅家の南にあり、坂の中ほどに水量豊富な泉があり、乙女たちが集い、布を洗い、曝し、乾かす」と記載している。だが、市村氏が愛宕町の現場に立つと、「太陽が差さず薄暗く、布を洗ったり乾かす地形ではない」と違和感を覚えたという。「河内駅家が発見されれば、曝井の所在地もはっきりする」と発掘に期待した。

愛宕町にある泉を「曝井」と指摘したのは、「江戸時代の学者の藤田幽谷と中山信名だ。幽谷には門人が多く、異を唱える人もなかった。この説が現在まで定着した」と述べた。

歴史秘話講座は来年1月まで計10回あり、27人が意外に知られてない史実を学ぶ。 (清水英彦)



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