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iPS細胞題材に議論 緑岡高で特別授業

茨城大の石原研治教授(左)の指導の下、光学顕微鏡でiPS細胞を見る生徒=水戸市笠原町の県立緑岡高
茨城大の石原研治教授(左)の指導の下、光学顕微鏡でiPS細胞を見る生徒=水戸市笠原町の県立緑岡高


先進的な理数系教育を実施するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を文部科学省から受けている県立緑岡高(水戸市笠原町、高瀬宏樹校長)が、茨城大と連携し、あらゆる細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を題材にした特別授業を県内で唯一続けている。最先端の科学を学ぶだけでなく、倫理面などに議論の余地が残るiPS細胞を授業内のディスカッションで取り上げることで、自分の考えを分かりやすく他人に伝える能力を養い、生徒の発信力向上に一役買っている。

13日の同校物理室。白衣姿の理数科2年の生徒約40人が、光学顕微鏡を用いて、ヒトの皮膚から作られたiPS細胞を観察する。講師を務める茨城大基礎医学研究室の石原研治教授(46)が「iPS細胞や再生医療と聞いて、どんな考えが頭に浮かびますか。どんな社会になると思いますか」と生徒に問い掛ける。室内には「機能を失った体の部位を再生できるかも」「クローンを作ることもできるかも」と活発な意見が飛び交う。同校の特別授業の光景だ。

観察や講義に加え、授業では生徒が積極的に発言することが求められる。「なぜそうだと考えるのですか」。石原教授は容易に解答を示さず、生徒から発言の意図を引き出そうとする。「社会はみんなでつくるもの。そのためには一人一人が自分の意見を持って発信することが不可欠」(石原教授)だからだ。

特別授業の対象は理数科の2年生で、2015年度から始まった。講義や実際の観察に加え、新聞記事の要約やミニ発表会を通し、自分の考えを発信する力も身に付ける。磯辺裕一教頭は「知識の習得にとどめず、意見などを人に分かりやすく発信する力を身に付けるのが目標」と狙いを語る。大沼守正理数科主任も「3年目を迎えたが、生徒の発表能力は向上している」とみる。

授業に参加した照山愛乃さん(16)は「実際にiPS細胞を観察してみると、思っていたよりも身近な存在になっていると実感する。話すのは得意ではないが、いつか自分の考えをしっかりと発表してみたい」と話した。

同校は9月まで、複数回にわたる特別授業を実施する予定。SSH指定は本年度末までだが、同校は、県教委を通して指定継続を申請する方針。

    (鈴木剛史)

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