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「蛇籠」の耐震性評価 つくば、防災科研が公開実験

3メートルの高さに積まれた蛇籠(中央手前)の耐震性を確認する実験=つくば市天王台
3メートルの高さに積まれた蛇籠(中央手前)の耐震性を確認する実験=つくば市天王台


鉄筋製の籠に石を詰めた土木資材「蛇籠(じゃかご)」の耐震性を評価する公開実験が22日、つくば市天王台の防災科学技術研究所で行われた。2015年のネパール大地震を受け、現地で多く使われる蛇籠の耐震性を高める方法を確立し、現地に提供する。

蛇籠は各1メートルの立方体の鉄筋籠で、中に石を詰めて積み上げることで道路の擁壁として使われ、土砂崩れを防ぐことができる。

防災科研はネパール地震後、現地入りした際に蛇籠が崩れ、被害が出た点に着目。国際協力機構の事業の一環として、耐震性の高い蛇籠の設置方法を提供し、同国を支援する。

実験は大型耐震実験施設で行われ、昨年6月以来3回目。これまで蛇籠を階段状に積むと耐震性が上がることを確認している。

この日は蛇籠の数を前回の倍に増やし、土砂の前に高さ、幅とも各3個、2列で計18個(総重量30トン)を積み上げ、震度5弱〜6弱相当の揺れを3回加えた。その結果、崩れは少なく、高い耐震性が得られることを確認した。防災科研の中沢博志主幹研究員は「工夫で耐震性が高まるという考え方を提供したい」と話した。 (綿引正雄)

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