メロンの接ぎ木学ぶ 鉾田農高で技術講習会 生徒20人挑戦
異なる品種の苗をつなぐ「接ぎ木」の技術を学んでもらおうと、接ぎ木苗の生産技術講習会が12日、鉾田市徳宿の県立鉾田農業高(井坂孝校長)で開かれ、高校生たちが、メロンの接ぎ木に挑戦した。
接ぎ木は、土台となる「台木(だいぎ)」の枝や葉の根元などを切断し、つなげたい「穂木(ほぎ)」を接合させる技術。農業では、同じ作物を栽培し続けた場合に起きる連作障害などを防ぐため、台木を病害虫に強い品種にして、作物を病気から守るために接ぎ木技術が活用される。
講習会に参加したのは同校農業科の1年生など20人。メロン農家で接ぎ木苗も生産する、鉾田園芸出荷組合代表の山口正重さん(56)が講師を務めた。
生徒たちが学んだのは、台木の茎の中央に穴を開け、穴に合うように削った苗を接ぎ木する「刺し接ぎ」技術。穂木の直径は1〜2ミリ程度。生徒たちは、カミソリで苗を慎重に削りながら刺し接ぎを練習し、完成した接ぎ木を移植してポット苗を作った。
小野海翔さん(16)は「穴の形に合わせて穂木を切るのが難しかった。次はもう少しうまくやりたい」と話した。郡司光さん(16)は「細かい作業は楽しかった。機会があればまたやりたい」などと笑顔を見せた。
山口さんは「品種改良の技術は頭打ち状態で、接ぎ木技術が見直されているが、技術を伝えられる人が少ない」と語り、「若い人に接ぎ木技術を知ってほしい」と期待を寄せた。