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ベストセラー漫画家・羽賀さん特別授業 「考えもがく時間」必要

母校の生徒と意見を交わす羽賀翔一さん=県立土浦二高
母校の生徒と意見を交わす羽賀翔一さん=県立土浦二高


つくば市出身で、ベストセラー「漫画 君たちはどう生きるか」の作者、羽賀翔一さん(31)が15日、母校の土浦市の県立土浦二高を訪問し、特別授業と称したトークを行った。映画「ビリギャル」モデルの小林さやかさん(30)も参加。生徒たちと「生きること」や「考えること」をテーマに意見を交わした。

特別授業は「君たちはどう生きるか〜今日から考える人になろう」を主題に行われた。羽賀さんと小林さんは、高校時代の思い出や作品を語った。羽賀さんは、在校中は「授業中に教師の似顔絵を描いてばかりいた」と振り返った。1浪して大学進学後は教師を目指し同校で教育実習も行ったが、好きな漫画を描き続け、初の作品が受賞。漫画家としての道を歩み始めた。

長年ヒット作に恵まれなかったが、今回の大飛躍に「どう漫画家として生きようかと考えた時に、原作に出合った。人生は悩むことがあり、答えは一生出ない。答えを見つけても苦しむことがある。どうポジティブに向き合うか、はっきりした答えがなくても考え続けることの大事さを訴えている」と作品を語った。

2人と生徒代表の質疑応答も行われた。羽賀さんは生徒に対して「人と比べるのではなく、自分は自分の課題に向き合い続けることが幸せにつながる。ずっと考え、もがき続ける。自分の中で答えを発見できるまでもがく時間は人生で絶対に必要になる」と強調した。その上で「漫画を読んで心が動く、読んだ後に脳みそが新品になる感覚を伝えたい。見落としている感情を拾い上げられれば」と今後の作品作りにも触れた。

小林さんは、成績が学年ビリで、喫煙で無期停学になった後に一念発起し、慶大に合格した経験について「死ぬほど努力したことが実を結んだ。結果だけでなく過程が大事。自分がどういう大人になるか、どんな人生を送りたいか深く考えてほしい」と訴えた。

同校2年の稲生(いのう)美歩さん(17)は「2人の話に勇気づけられた。自分の夢の実現に向け頑張りたい」と感想を話した。

漫画「君はどう-」は約80年前に発表された吉野源三郎著の児童書を漫画化。昨年8月下旬の発行から200万部を突破した。(綿引正雄)

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