運転席見学に笑顔 ひたちなか海浜鉄道10周年、沿線で催し
ひたちなか海浜鉄道の開業10周年記念祭が13日、ひたちなか市釈迦町の那珂湊駅をメインに沿線で開かれ、子どもの運転席見学などのイベントが繰り広げられた。
同鉄道は廃線寸前だった茨城交通湊線を引き継ぎ、市が出資する第三セクターとして2008年4月に開業した。11年の東日本大震災で被災して全線運休したが、市や地域住民の支援を受けて4カ月後に全線復旧を果たした。乗客数は右肩上がりで、昨年度は年間利用者数が目標だった100万人を突破。現在は市による国営ひたち海浜公園前までの延伸計画が進められている。
記念祭は那珂湊、平磯、阿字ケ浦の各駅を会場に飲食物販売や写真展、スタンプラリーなどを実施。那珂湊駅では子どもが制服を着て運転席に座れる企画が人気を集め、親子連れが記念撮影していた。
那珂湊駅近くの本町通り商店街では歩行者天国のイベント「みなと再発見フェス」が同時開催された。
記念祭の開会式で本間源基市長は「これまでの湊線は『乗って残そう』だったが、10周年を『伸ばして残す』スタートにしたい」とあいさつした。同鉄道の吉田千秋社長は「小規模な会社を皆さんに支えていただき、成長できた」と感謝した。 (斉藤明成)