霞ケ浦一周サイクリング 愛称カスイチ待った 語感に抵抗も
カスイチ? ウライチ?-。霞ケ浦一周のサイクリングの愛称をどうするか、18日に土浦市内で開かれたサイクリング関連の会合で話題になった。自転車愛好家の間では「カスイチ」の名称で広まっているが、「“カス”の語感が悪い」と再考を求める意見が出た。「愛称は行政が命名するものではなく、あくまで自然発生的なもの」(会合出席者)とされるものの、自転車専用道「つくば霞ケ浦りんりんロード」や関連施設「りんりんスクエア土浦」を整備し、「サイクリング県」のイメージ売り出しを図る県は、1周140キロの命名問題に頭を悩ませている。
会合は土浦市内で開かれた「にっぽん湖畔巡り自転車旅 霞ケ浦ミーティング」。霞ケ浦と琵琶湖(滋賀県)、浜名湖(静岡県)の関係者が初めて一堂に会した。実際にサイクリングを体験したほか、自転車を通した地域振興「サイクルツーリズム」を3湖連携で実施しようと意見交換した。
湖周回の愛称として、琵琶湖は「ビワイチ」、浜名湖は「ハマイチ」が定着している。行政や民間がこれらの愛称を利用し、グッズ販売も行っている。意見交換会で石田東生筑波大名誉教授は「カスイチは県民、土浦市民として少し嫌な愛称。何かいいものがあれば」と提案。参加者からは「カスミイチ」「ウライチ」「カホ(霞浦)イチ」といったアイデアが出た。
一方で、茨城新聞の取材に対し、参加者は「5文字では語呂が悪い」「聞いてもどこだか分からない名前では愛称にならない」として、定着しつつある「カスイチ」を推す声が複数聞かれた。結局、愛称問題は結論が出ず、次回へ持ち越しとなった。
県地域振興課の担当者は「愛称は行政が押しつける話ではないが、公式に使う時にイメージが悪くならなければいいのだが…」と複雑な心境を語った。
この日は参加者のうち約70人が自転車専用道約20キロを走行して汗を流し、霞ケ浦湖畔や筑波山麓の風景を楽しんだ。交流会では3湖一周認定制度の導入や相互交流による魅力向上などが話し合われ、サイクルジャージーを交換して絆を深めた。10月には「浜名湖ミーティング」を開く予定。
浜名湖サイクルツーリズム推進会議の田中孝治座長は「つくば霞ケ浦りんりんロードの基盤整備は全国一。今後は3湖とも街中を走る枝道ルートを開拓していければ」と話した。滋賀県ビワイチ推進室の菅原芳明主査は「専用道は平たんで走りやすかった。交差点ではクルマ側が必ず止まってくれた」と、自動車と自転車が譲り合うマナーの良さを褒めていた。 (黒崎哲夫)