《2020年夏季茨城県高校野球大会》2回戦・県北ブロ(12日) 日立一、粘って反撃、1点届かず
甲子園の中止が決定した後も、日立一の3年生部員は「最後までやり切る姿を後輩に見せる義務がある」と覚悟を見せた。しかし、新たに代替大会優勝を目標にして臨んだが、1点届かず、初戦で姿を消した。
試合は三回まで膠着(こうちゃく)が続いた。動いたのは四回表だった。日立一のエース二瓶真斗(3年)が痛打を浴び、許したくない点を先に与えた。さらに六回に2点、七回に1点を加えられ、悪い流れは続いた。
攻撃は何度も得点機をつくった。六回は2死から連打と四球で2死満塁の好機。しかし、代打の庄司赳琉(同)は三振に倒れた。「初球から積極的に振っていけたら点が取れて、チームを勢いづけられたかもしれない」と悔しがった。
それでも4点を追う八回。佐藤大輝(2年)の右前適時打で1点を返し、1死一塁で再び庄司に打席が巡ってきた。今度は初球から直球を振り抜いた。打球は中堅手の頭を越えスタンドへ。1点差に迫った。だが、反撃はここまでだった。「打てたうれしさよりもチャンスで打てなかった悔しさの方が大きい」(庄司)。
日立一の今夏の目標は達成できなかった。中山顕監督(49)は必死で戦う3年生の姿を見せるため、背番号を着けた下級生たちをイニングごとに入れ替えてベンチに入れた。指揮官は「3年生の思いを下級生に伝え、新たなチームをつくっていく」と誓った。
■日立一・二瓶真斗投手(3年)
インコースの攻めができなかった。後輩たちには「絶対甲子園に行け」と伝えたい。
【PR】私が触れた「マジック」-木内幸男さんをしのんで (電子書籍)