《2020年夏季茨城県高校野球大会》2回戦・県南ブロ 取手一、好機生かす 窮地も冷静、塚本完封
集大成として臨む今大会の初戦、取手一のエース塚本純弥(3年)は125球を投げ切り、7安打完封。二回から八回まで全ての回で走者を背負ったが、気迫の投球で勝利に導いた。
初回は球を低めに集め、3者連続三振の完璧な立ち上がり。だが、そこからは楽ではなかった。
2点をリードして迎えた六回表が、この試合一番の窮地となった。先頭打者に中前打で出塁を許すと、2死後、初めて三塁に走者を置いた。しかし、冷静だった。2ボール2ストライクから右打者のインコースを果敢に攻め、見逃し三振を奪い窮地を脱した。
練習では走者を背負う場面を想定し、シャドーピッチングでクイックモーションのフォームを固めてきたという。そのかいあって「走者がいるときの方がいい球が投げられた」と自信たっぷりに話した。
努力を3年間見てきた関口秀文監督(55)は「まだまだなところはあるが、その中でも完封してくれた。練習量はうそをつかなかった」とエースの成長を誇らしげに語った。
試合後、塚本は「カウントを悪くして打たれることが多く野手に迷惑を掛けた」と反省。次の3回戦に向けては「後ろに助けてもらいながら、打たせて取る投球で勝ち上がりたい」と、この日同様の投球を誓った。
173センチ、72キロ。左投げ左打ち。牛久三中出身。