《第73回秋季関東高校野球》1回戦 常総 右翼手・宮原 2度の補殺、失点防ぐ
◇第73回秋季関東高校野球大会1回戦(常総学院9-0前橋商、24日・千葉県柏の葉公園野球場)
茨城県大会で苦しんだ打線が9得点と、この日は打線が目立った常総学院だったが、大事な場面で好守が光ったことが勝ちを引き寄せた。立役者は右翼手の宮原一綺(2年)。強肩で2度もチームを救い、チームの代名詞である「守り勝つ野球」を体現して見せた。
四回表、1死からエース秋本璃空(同)がこの日初安打となる二塁打を許し、得点圏に走者を置いた。後続を1人打ち取った後、相手6番が放った当たりは一、二塁間を抜け、宮原の前へ。「練習でもイメージしてきた。セカンドが無理して捕るのではなく、自分が刺す」と前に出て捕球した。すぐさま捕手をめがけて一直線に返球した。本塁を狙った走者を、捕手の田辺広大(同)がタッチアウト。仮に生還されていたら、流れが相手に傾いたかもしれない。
2度目は五回表。1死一塁からエンドランを仕掛けられた。再び右前へと飛んだ打球を今度は三塁へ好返球。しっかり一走を刺し、反撃の糸口を封じた。
宮原はこの日、1番打者として起用されたが、3打数無安打。「意識して出ようとしていたが、できなかった。その分守備で貢献しようと思っていた」と振り返った。何が起きても対応できるようにと、守備についている間も常にチームメートと声を掛け合い、「打球への準備」を徹底。その結果、好守につながり「上出来だった」と笑顔を見せた。
次戦は4強入りを懸け、木更津総合と対戦する。宮原は「次も投手を楽に投げさせたい。打撃も場面に応じて役割を果たせるように頑張る」と強調した。
■常総学院・島田直也監督(50) 理想的な攻撃できた
初回の攻撃で勢いづいた。欲を言えば「ここでもっと点を取れれば」という場面はあったが、先制、中押し、ダメ押しと理想的な攻撃ができた。
■常総学院・秋本璃空投手(2年)
初戦で入りが難しく、あまり思うように投げられなかった。守備に助けられて抑えられた試合。