センバツ2回戦 常総学院、守備乱れリズム崩す

◇選抜高校野球大会第8日(2回戦・中京大中京15-5常総学院、27日・甲子園球場)
常総学院は、終始流れをつかめなかった。「無駄な四死球を出し、エラーをした方が負けになる」。島田直也監督(51)が試合前に語っていた言葉の通り、この日は細かいミスが大きく響いた。
初回から窮地を招いた。エース秋本璃空(3年)が2ストライクから相手先頭打者に投じた4球目。空振りを奪ったが、振り逃げでの出塁を許した。続く打者への3球目も暴投で無死二塁。この回はなんとか無失点で切り抜けたが、悪い流れは続いた。
二回表には三遊間の守りにミスが出て、無死二塁とされると、次の打者の左翼線への適時打で与えたくなかった先制点を奪われた。
さらに、試合が大きく動いたのは四回。2死二塁から、相手の俊足の2番打者に左前打を浴びた。「走者が気になって投球に集中できなかった」と秋本。機動力にかき乱された。「低めを意識しすぎる余り、甘く入ってしまった」とも。さらに2本の二塁打で一挙5点を奪われ、ほぼ勝負が決まってしまった。
打線も「低めのボール球を振らされ、相手投手を助けてしまった」と田辺広大主将(同)。逸機が続き、投手陣を援護できなかった。
試合を終え、指揮官は「守備からリズムをつくるのがうちの野球。テンポが悪く、それができなかった」と声を落とした。
それでも、2試合でベンチ入りメンバー全員が甲子園の舞台に立った。全国レベルと対戦できたことを糧に、夏に向けて仕上げていくしかない。新チーム始動以来、負けから学んで成長してきたチームは、大きな経験を得た。