◆2023年 5月◆
審査評 光のコントロール、秀逸
今月は身近な風景や祭り、スナップなど、バラエティーに富んだ作品が寄せられました。応募数は145点でした。
最優秀賞は酒寄英紀さんの「夕照に咲く」です。ツツジの花が咲く笠間市のつつじ公園からの眺望を、太陽が山陰に隠れる直前の時間帯を狙ってドラマチックに撮影しました。ハーフNDフィルターでツツジと夕日の露出のバランスを取り、さらに絞りを絞り込むことで光条を写し込んでいます。光のコントロールが秀逸です。この場所は多くのカメラマンが競ってレンズを向ける撮影の名所で、今月のコンテストにも複数の応募がありましたが、酒寄さんの作品が頭一つ抜けていました。皆が狙うアングルでも、シャッターチャンスを吟味し、ひと工夫を加えれば、良い作品になるというお手本です。
優秀賞には田上勤さんの「匠の技」と大和田健さんの「大自然」が選ばれました。「匠の技」は、暗い背景を選んで、人物の手先と表情、竹籠の鮮やかな緑色を浮かび上がらせました。竹を編む動作を捉えたシャッターチャンスも的確です。
「大自然」は、筑波山を望む大きな空と逆光に輝く青麦の穂。早朝の柔らかい光、春から初夏へ移ろう季節感を見事に描写しています。(写真映像部)
「夕照に咲く」 酒寄英紀(筑西市)
「匠の技」 田上勤(城里町)
「大自然」 大和田健(筑西市)
「はじめての田植え」 西口邦彦(石岡市)
「場所取りの争い」 佐藤邦夫(東海村)
「2,300mの夜景」 上田俊一(小美玉市)
「朝日に輝く」 斉藤孝一(つくば市)
「ママお先ね」 和田浩司(日立市)
「厳かな伝統の舞」 村山進(高萩市)
「アッ、見ーいつけた!」 佐々木敏勝(日立市)
「上流へ」 望月森雄(常陸大宮市)
「波紋」 平沢徳孝(常陸太田市)
「花筏」 根芝一夫(古河市)